手造り醤油

もう一つ表示が厳しく規制されているものがあります。「手造り」「手作り」「手づくり」などです。表示できる条件として以下の規定が定まっています。

1. 天然醸造であること
2. 麹(こうじ)は麹蓋(こうじぶた)または筵(むしろ)で製麹(せいぎく)し、手入れするものにあっては人手で行われている
3. 諸味(もろみ)の攪拌(かくはん)を手作業で行ったものであること

つまり、「天然醸造醤油」であって、醤油の元になる麹を手作業でつくって、熟成期間中に諸味をかき混ぜる攪拌作業を手作業で行っていること。まさに多くの方がイメージされる昔ながらの醤油造り、「職人が薄暗い仕込み蔵の中で、木の大きな桶で仕込んだ醤油」というわけです。

ただ、厳密に「手造り」が名乗れる醤油はごくごく少ないのが実情です。一番のネックになるのが麹作りの部分です。定義は麹蓋か筵で製麹を行っていることですが、筵は四国に数軒、麹蓋も全国で数軒しか残っていません。併せて10軒から多くても20軒に満たないのではないかと感じています。また、全量を筵・麹蓋で仕込んでいる蔵は3〜5軒ほどではないでしょうか?

とにかく時間と手間がかかる作業なのです。麹蓋での製麹は三日三晩、職人がつきっきりで世話をしてあげる必要があり、一度に作れる麹の量はとても少ないケースがほとんどです。多い場合だと三日三晩の作業を十数回繰り返して桶1本が仕込める場合もあります。つまり、1ヶ月かけて桶1本。一方、機械を使えば3日で1本仕込める場合もあります。そのため、麹蓋での製麹はごく限られた蔵でしか残っていません。

また、攪拌作業も30石の桶でも3000リットル以上の容量のある諸味を手でかき混ぜる作業は1時間以上かかります。その桶が何十本もある場合、その作業量はとても大きなものになります。現在一般的なのは圧縮された空気をポンプで送り込む方式です。そのため、「手づくり」表記ができる醤油はごくわずかしか存在していません。

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