小麦の炒り

炒った小麦

簡単にいうと醤油の「香り成分」を作り出すのが小麦です。少し専門的な表現をすると、小麦の主成分である「デンプン」が麹菌(こうじきん)の働きによって、「ブドウ糖」に分解されます。

これらの「ブドウ糖」を元に「乳酸菌・酵母」が「乳酸・エタノール」などを生成し、醤油の独特の香りの元をつくり出しすわけです。ただ、厳密にいうと、小麦もタンパク質を含んでおり、醤油のうま味成分の25%は小麦に由来します。

小麦は炒られます。その目的は、大きく3つ。

【1.殺菌】

小麦に付着する有害微生物を高熱で死滅させる作用。上記の大豆を蒸すのと目的は同じです。

【2.α化】

これも大豆を蒸すのと同じ理由で、小麦に含まれる「でんぷん」を「α化」することによって、麹菌の生産するアミラーゼの作用を受けやすくします。

【3.砕きやすくする】

高熱によって急激に膨張させ割砕されやすい状態にする。

後工程で蒸された大豆と混ぜ合わせるのですが、小麦中の水分を減少させておくことによって、水分を調整する役割もあります。大豆はたくさんの水分を含んだ状態になるので、乾燥した小麦と混ぜ合わせることでちょうどよくなるというわけです。

* こうじ麦
日清製粉が開発した、「こうじ麦」という醤油製麹用の加工小麦があります。これは小麦の胚乳部とふすま部を配合し、高圧蒸気による湿熱処理、殺菌、造粒加工を行った物で、炒ごう及び割砕操作が不要になります。つまり、炒る必要がなく、そのまま大豆と混合して製麹することができるというわけです。

そして、小麦は砕かれます。

【1.炒ごう(しゃごう)】

古くは焙烙により手作業で炒っていましたが、現在は主に「砂浴式回転円筒型麦炒機」と「流動焙炒装置」が主に使用されています。

  • 砂浴式回転円筒型麦炒機:熱い砂と混合された状態で回転しながら炒ごうする。出口で金網によって砂と分離される。
  • 流動焙炒装置:上下2つの塔からなり、上の塔で加熱気流の中で小麦を焙炒し、下の塔で冷却する。

【2.割砕(かっさい)】

炒ごうされた小麦は水分4%程度で40℃以下に冷却され割砕されます。「4〜5割りの粒子」と「細かい粒子」とが共存するように行われます。「細かい粒子」は、蒸煮された大豆の表面を被覆して水分を低下させ、細菌の増殖や大豆同士の粘着を防ぎます。一方、「荒い粒子」は大豆間にすき間を作り、通気性が高めることによって麹菌の生育を助けます。

醤油を味わう

醤油レシピ集

醤油蔵を探す

もっと醤油を知る

もどる