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NK缶は大豆を蒸す大きな圧力釜

多くの醤油蔵が持っているNK缶

NK缶は大豆を蒸す装置で大きな圧力釜です。数百キロ~1トン程度の大豆を蒸せる容量のものが多く、小規模の醤油蔵ではよく見かけます。

昔は釜などで煮ていましたが、現代では圧力をかけて蒸すことが一般的。大手メーカーになると連続蒸煮缶といって、密閉することなく連続して蒸すことができる装置を使っています。

圧力をかけることで効率よくうま味に分解

圧力をかけて短時間で蒸すことのメリットは利用率の向上です。大豆のタンパク質がうま味成分のアミノ酸に分解された割合のことで、高圧力短時間の方が効率的に行うことができるといわれています。また、蒸した後に冷却するとより利用率が向上するとされ、NK缶にその機能がついている場合もあります。

名前の由来はキッコーマン

製造現場では一般名称として、「NK缶(エヌケーカン)」と呼ばれています。これはキッコーマンが開発した技術が元になっており、キッコーマンの所在地が千葉県野田市であることに由来して、野田(N)・キッコーマン(K)でNKになっているといわれています。

室の大きさに応じて、NK缶の大きさも様々

NK缶の大きさは室の大きさに比例しています。蒸しあがった大豆はすぐに麹づくりの工程に移るため室に運ばれます。そのため、室の大きさにあわせてNK缶の大きさを決めていることが多いと思います。つまり、室が大きければNK缶も大きく、室が小さければNK缶も小さいわけです。

一方で、仕込み量が多いと生産効率はよくなりますが、少量多品種に対応することは難しくなります。どちらにしてもメリットとデメリットがあるわけです。