櫂棒(かいぼう)
諸味をかき混ぜる棒
櫂棒とは醤油の諸味を混ぜる棒です。桶仕込みの場合に使われることが多く、2メートル以上の長さがあります。先端にかまぼこ板のような形の木片がついています。
かき混ぜる目的は白カビの抑制
諸味を混ぜる目的は、空気を送り込むことで微生物の発酵を促進させることと、白カビの抑制があります。
特に仕込んだ直後と夏場には撹拌の頻度は多くなります。かなりの力作業で一本の桶を混ぜるのに一時間程度かかることも。近年では仕込んだ全量を櫂棒による撹拌をしている蔵は少なく、空気を送り込むことによる撹拌をしている場合が多くなっています。
たくさん混ぜればよいわけではない
「昔はたくさん混ぜることがよいとされていたけど、最近はちがうよね」と話すつくり手が多くなっているように感じます。
例えば、酵母菌は増殖をする時には空気を必要としますが、その後の熟成期には空気を必要としません。混ぜるほどに酵母菌がつくりだしたアルコールが揮発してしまうので、その意味でも混ぜたくないという声も多いです。
ただ、白カビが発生してしまうので、いつどのようなタイミングで混ぜるかがつくり手の判断や個性になってきます。