木桶は「ちびまる子ちゃん」をイメージすると分かりやすい気がする
「木桶仕込み」と「タンク仕込み」の違いは?に、アニメの「ちびまる子ちゃんのクラスのようなもの」と答えたことがあります。
すこし前に、大学の先生に依頼して、木桶とタンクでの発酵過程や成分にどのような違いが出るか?を研究していただいたことがあります。結果、浮かび上がってきたキーワードは「微生物の多様性」でした。
タンク仕込みは「進学校」スタイル
大手メーカーを中心に醤油の研究開発は驚くほど進化しています。50年前の醤油と比較すると、とてもおいしくなっているはずです。その「醤油をおいしくする要素(香りやうま味)」を最大限に引き出すため、いわば、醤油を特徴づけているエリートな微生物を特定し、優先的に投入することができるようになっています。ひとつの目標に向かって磨き上げられた精鋭集団。いわば、大学受験に向けた「進学校のクラス」のようなイメージです。
木桶仕込みは「ちびまる子ちゃん」スタイル
一方で、木桶の中には長い年月をかけてすみ着いた独自の微生物の生態系が存在します。そこには、醤油づくりに貢献をする菌もいれば、正直なところ「君、ここで何してるの?」と言いたくなるような、醤油づくりには直接関係のない微生物もたくさん共存しています。
これが木桶の面白さでもあるのですが、まさに「ちびまる子ちゃんのクラス」。勉強が得意な子もいれば、運動が得意な子、お笑い担当、ちょっと不思議な子……。いろんな個性が混ざり合っているからこそ、活気や深みが生まれます。
「多様性があるから良い、悪い」という単純な話ではないと思います。それぞれに個性と特徴がある。だからおもしろいのであって、そんな視点で醤油を味わってみると、いつもの醤油の味が少し違って感じられるかもしれません。