006|小豆島の桶が、山川醸造のみんなの桶に
木桶サミットから二週間。
新桶の初仕込みを終えました。あんなに濃かった数日間が、もうずいぶん前のことのようです。
<2月13日午前10時>
新桶2号の清祓い安全祈願祭を執り行いました。
クラウドファンディングの支援者の方、お取引先様、ご近所のみなさま、報道関係者の方々。そして小豆島からは木桶職人さんたちも参列してくださいました。

小豆島の熱をそのまま持ち帰ってきたわたしと、現地を知らない来場者のみなさんや社員。この日を迎えるまで、その温度差をどう埋めようかと少し不安でした。でも、蔵の前に集まってくださった木桶職人さんたちの姿を見たとたん、その迷いはすっと消えました。
来てくださった方々に、木桶のことを少しでも伝えたい。開始までの時間、サミットでの出来事や、山川醸造特注でつくっていただいたこの桶のことをお話ししました。せっかくだからと、木桶職人の坂口さんにもインタビューしながら。
話し始めてすぐに、会場の空気が変わったのを覚えています。みなさんの目が、だんだん真剣になっていく。こんなにも向き合ってくださる方がいるからこそ、いまこの木桶を迎え入れることができたのだと、胸の奥で静かに思いました。この方々の思いを背負うために。気が引き締まり、お腹にぐっと力が入った感覚でした。
<2月21日>
新桶の初仕込み。
返礼品コースで支援してくださったお二人に見守っていただきながら、やさしく穏やかな空気の中で仕込みを進めました。麹に少し触れてもらったり、重石を選んでもらったり。前の週に続いて、この木桶のことをたくさん話しながら。

その風景に見とれたり、わくわくしたり。
作業の途中で、参加者のお二人からぽつりとこぼれた言葉たち。
「すごいことだね、胸が熱くなるね。」
「初たまりが楽しみ。でも二回目も楽しみだね。」
「新桶3号のクラファンも楽しみ!」
支援してくださっている方なのに。
当社の商品を使ってくださっている消費者の方なのに。
一緒に歩んでくださるようなその言葉に、胸の奥がじんわりとあたたかくなりました。
正直に言うと、新桶2号はクラウドファンディングをせずに入れるつもりでした。準備もお礼も大変で、時間も労力もかかる。わざわざやる意味があるのかと、社長と何度も話しました。
それでもやったのは、この桶を“山川醸造の桶”で終わらせたくなかったからです。
みなさんの桶になってほしかった。
この二週間で、それが形になったと感じる場面に二度も出会いました。
山川醸造の桶ではなく、みなさんの桶になったのだと、自然に思える時間でした。
支援してくださった方々の思いはさまざまです。
託してくださった人もいれば、一緒に育みたいと思ってくださった人もいる。いろんな思いが重なっているからこそ、わたしはそれにこたえながら歩いていける。

大丈夫。
難しく考えすぎず、やれることをひとつずつやっていこう。
次回は、この新桶での初仕込みについてもう少し詳しく書きたいと思います。