039|荒櫂(あらがい)
仕込み後、初期は頻繁に諸味の撹拌を行うのですが、この作業を荒櫂(あらがい)といいます。これにより、麹と塩水を良くなじませます。
麹(大豆・小麦)の表面は菌糸と胞子で覆われていて、塩水と合わせただけではすぐに浸透していきません。また、うちの場合、崩壊機(固まっている麹をほぐす機械)がないので出麹の時に人の手で崩しているため、完全に崩れてない状態で塩水と一緒になる場合があるのです。
このような固まりの内部には塩水が届かないため、麹菌やその他の微生物(麹には麹菌以外の微生物も沢山いる)が死滅せず部分的に腐敗したり、異臭の原因になります。なので、仕込み後5日間は入念に撹拌して固まりがあれば手で崩しました。
来年は出麹の時に完全に崩してから仕込もうと思います。