末廣醤油

天然醸造の淡口醤油を進化させる

創業は明治12年(1879年)。建物は大正期のもので、ここ兵庫県たつの市には古い町並みが残っています。製法は天然醸造にこだわり、新しい淡口醤油の使い方の提案にも積極的で。淡口醤油を主力商品としている蔵元が少ないからこそ、その存在感が際立っています。

木村俊一工場長(左)と末廣卓也社長(右)

無添加の醤油の依頼をきっかけに

昭和40年頃に無添加の醤油を造ってほしいとの依頼がありました。依頼主が国産大豆や小麦を持ち込んできたので原料の確保はできるのですが、当時は脱脂加工大豆を原料に添加物を加えるのが一般的なつくりだったため、すぐには受け入れることができなかったそうです。

一から製造方法を見直し、難題と向き合う日々となりましたが、この積み重ねによって今では天然醸造の淡い色の醤油を手掛ける数少ない蔵元として厚い信頼が寄せられ、多くの顧客に囲まれる存在になりました。

仕込みの現場は綺麗に清掃が行き届いている。

炒られた小麦が運ばれていく。

麹をつくっている様子。

そして今、新しい取組に挑戦しています。

「醤油業界には今、重大な転機が訪れています。その中で私たちがこれからどうあるべきかを考えました。合理化を考えた時期もありましたが、大手のミニチュアになれるわけはない。いや、そうではなくて、より手間をかけて美味しいものをつくっていきたいと思ったのです。」

淡口醤油は色が大切。色が濃くなってしまえば濃口醤油になってしまうので管理が難しい。

木村工場長と末廣努さん

新しい淡口醤油としての提案

では、何をするか?淡口醤油の消費量は減少傾向で、地域によっては淡口醤油に馴染みの少ない土地もある。もっと淡口醤油を使ってもらうにはどうしたらよいか・・・?考える日々が続いたある日、こんな光景を目にしたそうです。

「ある料理屋さんで塩をかけて食べさせている姿を目にしたのです。なんてことのない光景ですよね。ただ、塩で食すと素材の味がよく分かる。あぁ、そうだ、淡口醤油は塩味が強くてうま味は少ない。これは素材の味を一番感じていただける醤油になれるのではないか?!」

「かける淡口」をつくろう

これで、「つけ醤油として使っていただく淡口醤油」というコンセプトは決まりました。淡口醤油の良さは色の綺麗さ。醤油としての主張は控えめでそのまま舐めるとしょっぱい。良い面を保ちつつ、もう少ししょっぱさを抑えて素材の味を引き立てるバランスを見定めること。ここが課題になりました。

そこで頼ったのが米麹。甘酒などは米麹の力で甘みがでてくることをご存知の方は多いと思いますが、これを応用できないかと考えたそうです。通常でも甘酒を加える淡口はありますが、より多くの量を使い淡口醤油で甘酒をつくるイメージの製法にすることによって理想の味の実現に挑戦したのです。

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末廣醤油
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