職人醤油の蔵元

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角谷文治郎商店

2016年5月の「伊勢志摩サミット」の料理にも使われたそうです。

本格みりんをつくり続ける蔵元

このみりんをご覧になったことがある方は多いかもしれません。百貨店や品揃えにこだわりを持つお店に並ぶ、しっかりつくられたみりんの代表格。実はこのラベルデザイン、50年以上も変わっていないそうです。

3代目の角谷利夫社長。

角谷利夫さんという存在

3代目社長の角谷利夫さん。典型的な職人タイプかというと、それも少し違うように感じます。その優しい笑顔に向かってみりんの質問をしようものなら、豊富な知識と巧みな話術が止まることはありません。

でも、その語り口調がとても楽しそうで、四六時中みりんのことを考えているのだろうなと、そんな雰囲気を感じさせてくれるのです。

お米のリキュール

「このまま飲んでみてください」と試飲をすすめる角谷さん。静かに、そして嬉しそうにその反応を待ちます。「あれ、おいしい!甘いお酒みたいですね」と、多くの方は答えます。このようなやりとりを数十年間繰り返してきました。

明治43年創業、みりん醸造一筋。

笑顔の根底にある信念

今でこそ、もち米と米麹、焼酎のみでつくる本みりんも目にするようになってきましたが、みりん市場はみりん風調味料や糖類などで増量したものに席巻されていました。

そのような中、市場がどうあろうと、周りから何を言われようと、自分の信じるみりんをつくり続けてきたのが角谷さんでした。50年以上変わらないラベルデザインに象徴されるような頑固一徹な信念、それが根底にあるからこそ、角谷さんの笑顔に不思議な魅力を感じるのだと思います。

シンプルな主張

良い原料をたっぷり使う。できる限り自分たちの手で加工する。自然の発酵にゆだねて時間をかける。角谷さんが続けてきたみりんづくりはとてもシンプルです。

みりんの原料はもち米、米こうじ、本格焼酎。これだけ。

米一升、みりん一升

米一升を使って、みりん一升をつくる。角谷文治郎商店のみりんはこの原則が貫かれています。もち米9と米麹1に焼酎5を加えると重量として15になりますが、これを圧搾すると10の液体になります。米10がみりん10になっているのです。

本みりんは増量剤として糖類などをお米の250%まで加えてよいことになっていますが、米が持つ豊かな甘み・旨みを丸ごとみりんで伝えたいというのが角谷さんの想い。だから、米の質はもちろん、使う量もたっぷりとなのです。

一本一本、人の目でしっかり確認。

自社精米と自家蒸留

梅・桜の咲く春と菊の咲く秋。みりんの仕込み時期は年に2回あります。一日に3トンのもち米を蒸して、米麹、焼酎と一緒に仕込みタンクに運びます。そして、2~3か月の醪熟成の後、圧搾されたみりんは、さらに貯蔵タンクで熟成され、仕込みから足掛け2年の時を経てようやく商品になります。

自社精米したもち米を蒸しあげる。

角谷文治郎商店の特徴として、国内産特別栽培のもち米を玄米の状態で仕入れて自社精米し、焼酎も自家蒸留していることがあります。みりんづくりに適した原料のために、できる限り自分たちの手で手掛けたいというスタンスは一貫しています。

例えば、煮炊きをしたときに肉や魚の生臭みを消すのはみりんの効果の一つですが、この効果をより実感いただくためにより香り高いみりんに仕上げたい、そこから逆算して焼酎をつくるそうです。こうして造られたみりんは、国内外の有名シェフから「米の持つ自然で豊かな旨み」や「キレのよい甘さ」と評価されているそうです。

若い力の溢れる蔵に

その角谷さんを強力にサポートしているのが、二人娘の文子さんと治子さん。看板娘としても有名なのですが、お二人のご主人の出口孝浩さん、三角祐亮さんも蔵人としてみりんづくりに没頭しています。

製造現場と顧客への商品説明とを行ったり来たり。時に海外までも出向いていく姿を目にすると、角谷さんの信念が確かに受け継がれているように感じます。皆が一丸となってみりんを伝え広めています。

出口孝浩さん 文子さん夫妻(左)と、三角祐亮さん 治子さん夫妻(右)

焼酎も自家製にこだわり本格を追求

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三州三河みりん
国内産特別栽培のもち米を原料に、地元愛知県産米の米こうじ、自社醸造の本格焼酎を使い2年にわたる長期熟成。上品な甘さとうま味。

価格 : 500円+税
原材料 : もち米(佐賀県、北海道、愛知県)、米こうじ(愛知県産米)、本格焼酎(愛知・山形県産米・自社港本町蔵製)
この蔵元への直接のお問い合わせ
角谷文治郎商店
〒447-0843 愛知県碧南市西浜町6-3
TEL:0566-41-0748  FAX:0566-42-3931
http://www.mikawamirin.com/