SHOYU・オブ・ザ・イヤー

2025年10月1日、日本醤油協会が新たに創設した「SHOYU・オブ・ザ・イヤー」の表彰をいただきました。思いもかけない受賞に驚きつつも、醤油業界に飛び込んでから約17年。これまで本当に多くの蔵元さんとお付き合いをさせていただいてきましたが、その方々から「おめでとう」と声をかけてもらえたことが、何よりもうれしかったです。

少し前に醤油の本をつくっていたとき、昭和初期の文献を読み漁っていたところ、当時の「醤油等級基準表」が出てきました。それを今の基準と見比べてみると、現代の醤油は格段に上質になっています。先人たちが、製造方法や設備改良を重ねてきた結果、いまの私たちは本当においしい醤油をつくれる時代に生きている。その積み重ねの上に、今の「醤油文化」があるのだと改めて感じています。

一方で、職人醤油を使ってくださっているお客様からいただく感想の多くは、「おもしろい!」「楽しかった!」という言葉です。それは、味わいの違いに驚いたり、素材によって使い分けてみたりと、体験としての発見があるから。醤油は、まだまだ掘り下げれば掘り下げるほど、新しい面白さが見つかる世界です。今回の受賞は、これまでを振り返る機会であると同時に、これからの励ましでもあると感じています。これからももっともっと、醤油の面白さを伝えて、食卓を豊かにする提案を続けていきたいと思います。今回の受賞、本当に光栄です。そして何より、これまで関わってくださったすべての蔵元の皆さま、ありがとうございました。