日本と中国のお酢文化(中国訪問記③)

中国の一般家庭に必ずある調味料は?

「中国の一般家庭に必ずある調味料は?」と、フェイフェイさんに聞いてみました。返ってきた答えは、「油、醤油、お酢、そして料理酒もあるよ」というもの。

油は5リットルくらいの大型サイズが定番だそうで、そのサイズ感に驚いたのですが、それと同じくらい、お酢の存在感も印象的でした。スーパーに行っても醤油に匹敵するくらいに多様な商品がズラリ、なのです。

日本と中国のお酢を醤油に例えるなら?

日本と中国の酢の違いを醤油に例えるなら、日本の酢は「淡口醤油」、中国の酢は「溜醤油」に近い立ち位置かもしれません。日本の主流は米酢で、雑味を削ぎ落したクリアで繊細な味わいが特徴。一方、中国の黒酢は米だけでなく高粱(コーリャン)や大麦など様々な穀物を使い、長い熟成を経てつくられます。色が濃く、香りが強く、しっかりと主張がある。酢豚のように火を加える調理において、主役となるソースのような力強さを持っている印象です。

火の料理、水の料理とお酢

昨日、中国は「火の料理」で、日本は「水の料理」という表現をしました。かつて醤油が普及する前の日本では、酢が調味料の代表格だったはずです。そこから酒に梅干しなどを入れて煮詰めた「煎り酒(いりざけ)」なども生まれたりしながら、江戸時代の中期以降から醤油が存在感を広げていくのですが、日本のお酢づくりは酒造りと同じように、洗練された引き算の進化をしてきた印象があります。

対する中国は、油を多用する食文化の中で、お酢は「油っぽさを切り、消化を助ける」という役割を磨いてきた。だから、卓上にも常に置かれて、各々が味を調整するスタイルが定着した、とそんな流れではないのかなと想像しています。

醤油視点でお酢をみてみるもの、おもしろいですね。