醤油の知識

玉鈴醤油の木桶づくり

玉鈴醤油が取り組む蔵の改装と新桶づくり

先日(2022年10月31日)、福島県伊達市にある玉鈴醤油さんに伺ってきました。

玉鈴醤油はだしを加えた「かけじょうゆ」が看板商品。地元で愛される味をつくり続けています。直接販売している割合が多く、営業マンが醤油の配達に走り回っていて、まさに地元密着の醤油蔵です。社長の鈴木利幸さんの新たな取り組みが蔵の改装と新桶づくり。ちょうど今、その木桶づくりをしていました。

「より自分たちが自信をもって紹介できる醤油をつくりたい」と、福島の木桶職人である伊藤大輔さんに製作を依頼。伊藤さんの師匠でもある小豆島の職人メンバーも駆けつけて作業をしていました。

ヤマロク醤油の山本さんが新桶づくりに挑戦したのが2012年頃。当時、1本の木桶を組み上げるのに1週間を要していました。箍を竹で編むときに、折れる、寸法があわない、だから何度もやり直す。一歩進んでは一歩戻るの繰り返し。半日作業をしても進展のない時もありました。その時の光景を知っているからこそ、今回の作業のスムーズさが驚きでした。

円周が5メートルくらいの箍ですが、1センチの違いでもきれいに納まりません。太さも長さも違う竹の素材をつかって寸法通りに編んでいく。しかも、2本同時に編んで、2日で14本の箍を無事に納めました。経験値の積み重ねとチームワークの熟成度合い、すごいですね。