台湾はスープの文化
「スープがあるのになんで水を飲むんだ!」
台湾に来て間もないころ、農村部で食事をご馳走になった佐藤さんが、そう言われたそうです。日本と同じ感覚で水に手を伸ばそうとしたら、そう言われたそうで、現地の方にこのエピソードを話すと、「それはそうでしょ!」と、さも当然のように笑われました。
2026年4月、台湾に行ってきました。アテンドしてくれたのは、台湾でデジタルマーケティングの会社(applemint)を経営している佐藤峻さん。佐藤さんが醤油のイベントを企画してくれて、そこに参加するために向かいました。
実際、現地の食事には常にスープが付きものでした。佐藤さんの奥様のご実家の地域では、豚や鶏などの骨を煮込んでとったスープが、台所に常にあったそうです。そのまま飲むのはもちろん、麺を入れればラーメンのようになり、米を入れれば雑炊のようになるというわけです。
日本の食文化の土台は「水」なのかも
日本と比べながらあれこれ考えていたところ、「水」の違いに興味が向いてきました。台湾は日本と同じく高い山脈を持つ島国ですが、土壌に石灰岩質が多く含まれていて、カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水の地域が多いそうです。
また、川の流れが急で一気に海へ流れてしまう上に、亜熱帯・熱帯気候のために細菌も繁殖しやすい。だから、生水のまま飲まずに、煮沸するのが一般的になった。この条件と相性のよい発酵度の高い烏龍茶のようなお茶が発展するし、スープも日常になる。水をそのまま飲めないことが、食文化の形を決めてきたのかもしれません。
以前、中国を訪れたときに、「中国は火の料理、日本は水の料理」という話に触れたことがありました。今回、台湾に滞在してみて、台湾はちょうどその中間あたり、という印象が強くなりました。そして、透明できれいな水をそのまま飲める日本の環境が、いかに特別なことか。日本の食文化のベースに「水」があることを、改めて意識する旅になりました。

