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醤油の種麹といえばオリゼーとソーヤ

オリゼーとソーヤ

麹づくりに欠かせないのが種麹(たねこうじ)。種麹を繁殖させることで醤油麹になります。醤油の場合ではアスペルギルス・オリゼー(Aspergillusoryzae)とアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)の名称をよく耳にしますが、そのオリゼーやソーヤの中にも様々な種類があり特徴が分かれています。

多くの醤油メーカーは種麹メーカーから種麹を購入しています。でんぷんやたんぱく質の分解に秀でている酵素を作るものや、繁殖のスピードが速かったり遅かったりと、自社にとっての最適な種麹を数百・数千ともいわれる種類の中から選んでいます。

もやし屋(種麹メーカー)

明治時代以前は。つくった麹を保存しておき、次の製麹時に混ぜて使う友麹(ともこうじ)という方法をとっていましたが、余計な雑菌が混入してしまうことなどから、次第に純粋に培養した種麹を使うようになっているようです。

大手メーカーは独自に研究・培養していますが、ほとんどの醤油メーカーは「もやし屋」と呼ばれる種麹メーカーから購入しています。なお、種麹メーカーは全国で6 軒程度で、全国の日本酒や味噌などの醸造メーカーを支えています。「ヒグチモヤシ」や「ビオック」などが有名。

オリゼーとフラブス

柴田昌平監督の「千年の一滴 」という映画でオリゼーも大きく取り上げられていて興味深い考察があります。アフラトキシンという毒素をつくりだすフラブスという微生物とオリゼーのDNA配列がほとんど同じだというものです。

フラブスが持つ核は一つに対して、オリゼーは複数。そして、毒素をつくりだす部分のDNAがないそうです。つまり、オリゼーの存在は、人間にとって有益な微生物を繁殖させることを繰り返したことによって誕生したのかもしれないという説で、過去のつくり手の試行錯誤がオリゼーを生み出したかもしれないというものです。