木桶とは

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⑤箍を入れる

桶のつくりかた⑤ 箍を入れる

いよいよ箍(たが)を入れていきます。8本のうち、一番下の尻輪はステンレス製の帯を使い、竹で編んだ箍は7本になります。それぞれのに呼び名があるのですが、個人的には二番と三番の由来がどこにあるのだろうと疑問に思っています・・・。

桶を逆さまにして鉢巻から入れていきます

写真の桶は逆さまになっていて、底になる部分が上を向いています。この状態で箍を入れていき、最後にひっくり返して底板を入れます。最初に入れる箍は円周の一番大きな鉢巻。そして、最後に入れるのが一番小さくて、底に最も近い二番の箍になります。(ステンレス製の尻輪はあらかじめ入れておきます)

箍の位置と正面

それぞれの箍を入れる位置は決まっていて、あらかじめ桶の表面にチョークで印を付けておきます。そして、もうひとつ大切なのが桶の「正面」。木目の一番きれいな面を正面に決めて、箍も編み方がきれいな所をそこにそろえていきます。

そんな目線で桶を眺めていくと、それぞれに表情があるように感じます。最終的に桶を設置するときも正面を大切にします。蔵の中に桶が無造作に置かれていると思いきや、実はそんな気配りがあるのです。

箍を入れて
叩いていきます

ハンマーで打ち込んでいきます

そして、ここからが力仕事のスタートです。木の棒を当ててハンマーで叩いていきます。4人一組になって「せーの!」「ドン!」。横に移動して、「せーの!」「ドン!」。これを繰り返します。

節の部分を叩くと割れてしまうので要注意
かなりの力作業です

高いところは足場をつくって

ドラム缶に板を渡して足場をつくります。「せーの!」「ドン!」。皆の息がぴたりと重なると、大きな力がかかって箍がきれいに落ちます。しばらくすると、叩いた時の音が変わってきます。

高い音は箍が効いてきた証で、音が変わった時に目標の高さまで落ちていると、ちょうどよいことになります。ただ、いつもうまくいくとは限りません。緩いのはもちろんだめですが、無理に叩きすぎても箍の寿命を縮めてしまいます。ちょうどよいのが、一番なのです。

板も竹もできるだけ傷つけないように
一本づつ箍を入れていきます