スパイスと醤油、カレーは地球の食べ物かもしれない

スパイスは味ではなく、香りである

メタ・バラッツさんという方がいます。スパイスの専門家で、昨日、こめみそしょうゆアカデミーで「スパイス×醤油」をテーマにしたイベントでご一緒させていただきました。そして、私からの最初の問いが「そもそもスパイスとは何か?」というものでした。

バラッツさんが強調されていたのは、スパイスは「味」ではなく「香り」だということ。そしてもう一つ、スパイスはミックスして使うとよいということでした。

ほんとうに恥ずかしい話ですが、私はガラムマサラって単一のスパイスだと思い込んでいました。実際にはいくつかのスパイスをブレンドしたもの。ブレンドすることで香りに立体感が出る。そこに塩分を加えることでその魅力がより強調される。今回はその塩の代わりに醤油を使ってみる、というのがこのイベントの試みでした。

その話の中で印象に残ったのが、「カレーは地球の食べ物かもしれない」という話です。

もし宇宙人がいたとして、彼らの視点から地球全体を見て「共通の食べ物は何か」を考えると、おそらくカレーだろうと。別の言い方をすれば、世界各地に「カレー風味」の料理が存在している、ということです。

なぜ世界にカレーは広まったのか?

自分でも少し調べてみました。16〜17世紀の大航海時代、インドの人々はそもそも「カレー」という言葉を使っていなかったそうで、18世紀にイギリスが植民地政策を通じて世界へ広め、さらにカレー粉を商品化されることで、世界中に広まったとのこと。インド生まれで、イギリスが世界に広げた、という流れのようです。日本に伝わったのは江戸末期、実際に食べられるようになったのは明治初頭。

でも、なぜこれほど世界に広まったのか。そもそもスパイスの風味が好まれることだったり、暑い夏でも食べられるみたいなことなど、いろいろ理由は考えられると思いますが、「カレーは料理名ではなく、調理法になっている」ことが大きいように思います。具材の制限があまりないので、その国の食材を使えばOK。辛さも甘さも調整できる。その間口の広さというかアレンジの自由度があることが、世界中で愛される理由なのかもと。

その意味では醤油も料理を選ばない。その土地の食材×醤油の組み合わせの広がりは大きそう。スパイスと醤油を一緒に使ってみて、なんとなく、そんなことを感じていました。