イベントの「表の目的」と「裏の目的」

2年前の17名での蔵見学

イベントを開催するときには、いつも「表の目的」と「裏の目的」があるように思います。

表は、もちろんお客様に向けたイベントそのもの。そして、裏はイベントを企画する側の人間関係が変わっていくことなのかもしれません。それを実感したのが、2年前の蔵見学でした。

渋谷ヒカリエでのイベントが終わった後、有志17名ほどで埼玉県と群馬県の醤油蔵を訪ねました。

昔の醤油業界であれば、同業者が蔵を見学するなんて、まず考えられないこと。確かに、都道府県単位の組合組織はありましたし、懇親会などでは仲良くしているのですが、お互いの製造現場を見せ合うことは「絶対にない」。それが一般的な感覚だったと思います。

ただ、それまでにも一緒の取組みをしてきたメンバーなので、イベントで東京に集まっているのだから、その流れで蔵見学しようとなり、実施してみると、その見学は驚くほど学びの多いものでした。

普通とは違う蔵見学

一般の方に向けた「醤油とは何か」「発酵の工程とは」といった基礎の説明が不要になるので、いつもの見学とは違った方向に進んでいきます。普段は見せないような場所まで「ちょっと見る?」と案内が始まり、話はどんどんマニアックに深まっていきます。「ボイラーってどんな感じ?!」とか。最初は遠慮がちでしたが、すぐに遠慮など不要だと気づいて、あっという間に1日が過ぎていきました。

ただ、ここで思うのです。

この見学がこれほど充実したのは、その前にイベントを一緒に作り上げていたからだ、と。

もし、いきなり同業者同士で蔵見学会を実施しても、たぶんこうはなりません。当たり障りのない、表面的な見学で終わってしまうような気がします。

同じ場所に集まり、一つの取り組みを通して一緒に汗をかく。いわば「同じ釜の飯を食べた」間柄になって、はじめてあの扉が開いたんだろうなって。イベントの「裏の目的」は、たぶんここにあったのだと思います。

参考:醤油屋が醤油屋を見学する
https://s-shoyu.com/knowledge/knowledge-10239

2026.07.01