「スペック」より「自分の言葉で話せる人」

渋谷ヒカリエでの木桶サミット、終了しました。初めての3日間開催。若手の蔵人たちの頼もしさが倍増していました。

その中でマイクを振ってもらい、コメントした内容なのですが、私自身、職人醤油を始めて20年近く。これまで400以上の蔵を訪問してきました。そして、よくこんな質問をいただきます。「取り扱う醤油の選ぶ基準って何ですか?」。それに対する答えって、時間とともに変わってきている気がします。

初期:スペック重視
醤油の世界に飛び込んだ当初は、醤油の右も左も分からない状態でした。その時は、原材料が国産であるとか、天然醸造であるとか、そうした「スペック」というか商品ラベルに表示されるような基準しか手がかりがなかったように思います。

中期:つくり手への共感
そして、多くのつくり手とコミュニケーションを重ねていくと、スペックだけではないと感じるようになります。するとスペック情報関係なしに、「この人がつくっているものだから、堂々と紹介したい」と思えるような、つくり手自身を好きになれるかどうかが基準になりました。

    現在:自分の言葉で話ができる人
    そして今、「自分の言葉で話ができる人」というのが、一番しっくりきているよいつくり手の基準です。

    この自分の言葉で話をするって、簡単なようで難しい。今回は「木桶」がテーマでしたが、例えば「どうして木桶で仕込んでいるのですか?」という問いに対して、「伝統だからです」とか「絶滅寸前だからです」とか「貴重だからです」と言うような、誰でも言える言葉ではなくて、その蔵人にしか言えない内容で、聞いている人が納得する内容。そんな蔵人には、とても魅力を感じます。

    ちょうど、昨日も山川醸造の山川華奈子さんが話していた内容に、会場から大きな拍手が起こっていました。華奈子さんのコラムもぜひ。

    たまりやのかなこです
    https://s-shoyu.com/essay-kanako-list/

    2026.06.28