濃口を先頭に置く並びと、真ん中に置く並び

「どれがどれだか分からない」

醤油売り場でよく耳にする言葉です。棚にずらりと並んでいるのに、どれを選べばいいのか分からない。

職人醤油では、醤油を色の濃さの順に、左から右へ並べたチャートで種類を解説しています。左端が白醤油、そこから淡口、濃口、再仕込、溜の順。右へいくほど熟成が長くなり、うま味が濃くなっていく並びです。

私が醤油業界に飛び込んで最初に目にした解説資料は、先頭が濃口醤油でした。次いで淡口醤油——生産量や流通量の多い順に並ぶのが普通でした。それを色の順に組み替えると、左(白・淡口)、真ん中(濃口)、右(再仕込・溜)と、大きく三つのまとまりで捉えられる。いきなり全部は難しくても、三つから一本ずつ手元に置く。それだけで使い分けは面白くなる、という提案のつもりでした。

分からない側に立った棚

ただ、このチャートもまだまだ小難しいと感じています。

先日、アメリカに行った時の調味料の棚、中国や台湾のものも含めて、見慣れない醤油がずらりと並んでいると、私自身が「どれがどれだか分からない」と立ち尽くしました。日本の売り場なら、ラベルを見た瞬間にどこのメーカーかが分かるので、違って見えます。ただ、見慣れていない棚では、選ぶ「手がかり」すらも掴めない。

日本の醤油売り場で、多くの方が見ているのは、たぶんこれと同じ景色なのだろう、と。そう考えると、並べ方や情報の整理には、まだできることが残っている気がしています。

2026.08.19

職人醤油スタッフが選ぶ正統派醤油味比べセット
三つのまとまりを、いちどに手元で並べてみるための5本です。左から右へ置いて、順に舐めていくだけで、チャートで見ていた並びが台所の実感に変わります。
https://store.s-shoyu.com/products/staff1