「この味をそのまま守って、次につなげていきたい」と、正金醤油の5代目は言った

「この味をそのまま守って、次につなげていきたい」

調味料エバンジェリストの下倉樹さんが主宰される「調味料の魅力に迫ろうじゃない会 in三木」に参加させていただきました。テーマは「木桶」。桶職人の坂口直人さんと、正金醤油の佐藤敦さんがゲストです。

佐藤さんは正金醤油の5代目になりますが、奥様が正金醤油の親戚筋にあたります。もともとは小豆島の役場に勤めていました。結婚して小豆島に来て、醤油ってこんなに違うんだ、こんなにおいしいんだと感じたといいます。それで自分から頼み込んで、正金醤油で働くことになったのだそうです。

そのうえで、「だから、自分はこの味をそのまま守って、次につなげていきたいと考えています」と。これだけを聞くと、なんてことのない発言に聞こえるかもしれません。ただ、このシンプルな言葉が、とても印象に残りました。

肩身が狭いもんだよ

醤油屋は代々、子供に引き継がれることが多いです。親が醤油屋で、その子供が跡を継ぐ。創業100年以上の蔵が多く、十何代目という話も珍しくありません。だからこそ、親父が偉大であればあるほど息子が苦労をする話だったり、はたまた、婿養子がぐっと業績を伸ばした話だったり。そんな話を耳にすることがあります。

以前、ある婿養子の方に話を聞いたことがあります。「なんだかんだ言っても、肩身が狭いもんだよ」と言うのです。社長という肩書はある。けれど、妻の実家だしなあ、と思ってしまう。ここからは私の推測です。そう思うほどに、自分の爪痕を残したい、自分にしかできないことは何だろう、と考えてしまうのではないかと。結果としてガラッと新しいことにチャレンジして、業績が急拡大する。そんなことが、婿養子にはあるような気がしています。

そんな話を聞いていたので、佐藤さんの、純粋に今の醤油をそのままつくり続けたいという発言が、とても新鮮に聞こえました。直系の息子でもない。そして婿養子でもない。そんな立場の佐藤さんだからこそ言えたような気もして。とても頼もしく、そしてうれしく感じました。

2026.10.09

正金醤油
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06.正金 うすくち生醤油 100ml(正金醤油)
佐藤さんが「そのまま守って、次につなげたい」と話す、その正金醤油の一本。
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