綺麗な蔵は、よい蔵が多い
「掃除の話がすごく良かった」
たまに、人前でお話をさせていただくことがあります。地元の中学校では、もう6、7年目になるのですが、きっかけは、中学時代の担任の先生。ちょうど校長先生になられるタイミングに、「ちょっと話しに来い」と言われたことでした。
話し終えて「先生、どうでした?」と聞くと、「掃除の話がすごく良かった」という返答があったのを覚えています。
道具の置き場所は、決まっているか
醤油蔵を続けて回っていると、「あそこの蔵とここの蔵は、ここが違うな」といった比較がしやすくなってきます。「いい蔵とは何か」と聞かれたら、「整理整頓がされていて、悪い蔵元はない」という印象を持っています。
秋田県の石孫本店さんは、その代表格です。小麦をいまも石炭で炒っている、昔のままの現場。社長の石川さんは「道具を残すこと、守り続けることが大切な仕事のひとつ」と言います。現場はいつも、道具まできちっと整頓されています。
建物は歴史を刻んでいる。だからこそかもしれませんが、山の中の神社に行ったときのような神聖さを感じるほどです。
道具の置き場所が決まっているか、段ボールなどの資材がどう置かれているか、事務所の机の上はどうか。そうした整理整頓をきちっとやりながら、製造の大事な部分だけ手を抜く人は、ほとんどいないと思うんです。
「事務所はちょっと汚いけれど、製品づくりはしっかりしている」という蔵はあります。でも、その逆は絶対にないと思います。
こんな話に、冒頭の先生は「子どもたちに『なぜ掃除をしなきゃいけないのか』を伝える身近な話題として、すごく納得感があった」と言っていました。
2026.11.08
掃除道具が語る蔵元の品質と精神性
https://s-shoyu.com/knowledge/1109/

