中国は火、日本は水、タイは「重ね」
「中国は火の料理で、日本は水の料理だね」
中国と日本の料理の違いは何だと思う?という質問に返ってきたこの答えに、すごく納得をしました。
火の料理というのは、油を使って短時間で熱を加える調理。水の料理というのは、油に頼らず、水に素材のうま味を移していく食べ方。そして、素材そのものを楽しむ食べ方です。
この分け方がとても分かりやすくて、その後アメリカに行ったときも、この考えに当てはめるとどうなるかなと観察していました。「アメリカは煙と脂」と分けてみると、しっくりきます。バーベキューが有名ですが、昔は燻製だったと思います。動物の脂がベースにあって、煙で調理をする。そして、その上にソースをかける感覚。ケチャップであり、バーベキューソースであり、ホットソースであり、という具合に。
タイは何の料理なのか?
では、タイは何なのかな、と考えたときに一番しっくりきたのが、「味を重ねていく」という見方でした。
飲食店の机の上に4つの調味料が常備されています。ナンプラー、砂糖、酢、唐辛子。この4つが定番です。塩味とうま味、甘み、酸味、辛さというわけです。
大皿で出てくる料理も、このうちどれか一つが際立っているか、いくつかがミックスされた味わいになっています。それをご飯の上によそって混ぜて、味を重ねていく。さらに手元にある調味料で、自分の好みにアレンジしていく。
日本だと、卓上に醤油が一本ドンと置いてある光景をよく見ます。でも、タイでは4つの調味料で、味を何重にも重ねていく。それがこちらの食べ方なんだろうな、と感じました。
2026.10.04
火の料理と水の料理 ― 中国と日本、醤油の進化の分岐点
https://s-shoyu.com/essay-mantaro/14464/

