「それって塩水じゃないですか」と言われた、昭和の1等醤油
「全窒素1.0の醤油って、どう思いますか?」
昔の資料を探していて、面白いものを見つけました。昭和15年の資料です。当時の醤油にも1等、2等といったランク付けがあり、1等級の全窒素分は1.0〜1.25%と書かれていました。
全窒素分とは、醤油のうま味成分のことで、醤油に含まれる窒素の量で測ります。スーパーで見かける「超特選丸大豆醤油」の「超特選」も、この窒素分がたくさん入っていることを示す規格です。
現代の基準でいうと、特級が1.5%。超特選はその20%増しなので1.8%になります。昭和15年の1等級は、いまの特級にも届いていないことになります。
いまの醤油のつくり手にこの数字の話をしてみると、「それって塩水じゃないですか?!」という反応が返ってくることもありました。
大豆のタンパク質という天井
昔と今を比較すると、この全窒素分は高くなってきています。改良を重ねる、日本人的なものづくりのあり方だなとも感じます。
全窒素分の元になるのは、ざっくり言うと、大豆に含まれるタンパク質がアミノ酸に分解されたもの。そう考えると、大豆のタンパク質以上にうま味成分は出ません。
だからこそ、いかに効率よくタンパク質を分解するか、という方向で製造技術が発展してきた歴史があります。できるだけタンパク質を多く含む大豆を探して選んできた、という背景もある気がします。
現代の製造技術は、すでに理論値の限界くらいまで分解できるところまできている。そんなふうに感じています。
2026.10.21
醤油のうま味・全窒素分との関係
https://s-shoyu.com/knowledge/0204/

