大豆と小麦3200kgに、種麹は800g
3200kgに800g
醤油づくりで大切な工程として必ずあがるのが、麹づくりです。蒸した大豆と炒った小麦に、種麹という麹の元を加えて、麹菌を繁殖させます。3日間かけてつくられるのが醤油麹です。
先日、弓削多醤油さんを見学させていただきました。見学通路には各工程の解説が記されていて、一度の麹づくりに使う大豆の量は1800kg、小麦は1400kgとありました。この二つで3200kg。これに加える種麹は800gだそうです。割合に直すと0.025%。
「本当はもっと少なくてよいのだけど、念のために少し多めにしています」と弓削多洋一さん。このごくわずかな種麹が、3日かけて繁殖していく。発酵のすごいところですよね。
「あえて低い温度にするんですよ」
だからこそ、麹が繁殖しやすい環境づくりには気が抜けない。そう話しながら、弓削多さんはスマホを見せてくれました。「これが今の温度です」と、リアルタイムで確認できるようになっています。異常値になるとアラームが鳴るようにもなっていて、深夜でも調整に来ることがあるそうです。
麹菌は繁殖する過程で熱を出していて、そのままでは自分の熱で死んでしまいます。だから、人が手を入れて温度を調整すること欠かせない。ただ、麹菌の成長に合わせて、温度を上げるべきタイミングと下げるべきタイミングがあるのが難しいところ。
前半は温度が低いと繁殖しにくくなりますが、後半は意図的に温度を下げるそうです。「麹をつくる目的は酵素をつくるため。麹にとって過酷な環境の方がたくさん酵素をつくってくれるんです。だから、そのタイミングではあえて低い温度にするんですよ」と弓削多さん。
年中、麹と向き合っている弓削多さん。麹づくりは、関われば関わるほど奥深い世界のようです。
2026.11.01

