職人醤油の蔵元

有田屋

人の都合で造らない醤油づくり

「ちゃんとしたものを造り続けたい。それは、人の手がかかり、人の都合で造っていないもの。だって、自然じゃないって、不自然ってことでしょ!」と有田屋の湯浅社長は語ります。

湯浅康毅社長。

醤油と共に、土地のことも知ってもらう場所に。

位置するのは群馬県安中市。西は長野県軽井沢町と接しています。江戸時代には中山道の宿場町として栄え、榛名山(はるな)・妙義山(みょうぎ)・浅間山(あさま)などの美しい山々に囲まれ、清らかな水に恵まれています。

2009年には事務所スペースを店舗に改装しました。
旧宿場ということもあり観光客の多い土地柄、「今まではせっかくお客様が訪ねて来てくださっても、ゆっくりと見ていただけなかったので・・・醤油のこともそうなんですけど、この土地を訪れた方がふらっと寄れて、地域の情報発信基地のようにしていけえればと考えているんですよ!」

国産原料使用。濃口2年・再仕込3年醸造

有田屋は天保3年(1832年)より170年余年もの間、昔ながらの天然醸造の製法にこだわった醤油作りを続けています。秋田産の丸大豆、群馬県産の小麦、オーストラリア産の原塩のみを使い、約3年(濃口醤油2年、再仕込み醤油3年)もの歳月をかけて、土蔵の中で天然醸造方式でじっくり発酵・熟成されています。

漆喰(しっくい)で囲まれた蔵の中は、薄暗くひんやりとしています。
醤油の発酵の主役である微生物は温度によって活動量が変わります。夏場の急激な気温上昇がダイレクトに伝わらないようにする効果があるそうです。

言葉を発しない醤油と向き合う。

醤油作りは、前述の通り長い時間の中で微生物の働きによって少しずつ少しずつ熟成されるものなので、素材と素材を混ぜて即完成するものではありません。
だからこそ、醤油造りにおいての主役は人間ではなく、「人間が醤油造りに関わるのは、その一つのプロセスでしかない。」というのが有田屋の哲学です。

蔵の内部。

長い歴史を持っている醤油蔵には、同じ年月住み続けている麹菌がいます。天井や壁に張り付いて醤油の醸造に影響し、その蔵の個性を形作っているのです。建物の外壁の黒い部分などはまさにその影響です。

人間は、言葉を発しない醤油と向き合い、徹底してサポートにまわる。極力人の手を加えずに、醤油自身の力でできあがる醤油を目指す。これが有田屋の醤油造りです。

蔵の前には枝豆が。

大豆と枝豆の関係ってご存知ですか?
「別の種類の豆なんじゃないの???」と思われるかもしれませんが、枝豆がさらに成熟すると大豆になります。つまり、枝豆と大豆は一緒というわけです。

有田屋の蔵と店舗の間の小さなスペースに枝豆が植えられています。これは醤油造りで実際に使用されている大豆をそのまま植えたもので、このように自然と葉っぱが出てすくすくと育っています。

例えば、最近よく耳にする「遺伝子組換え大豆」の場合、土に植えたとしても芽は出てこない品種もあるそうです。また、原料の管理が悪かったりして力を持っていないものでも同様。それを確かめるために、土に撒いているそうです。蔵を訪れたお客様も興味深く見ていかれています。

「生きている素材を使っているから、このように土に植えれば芽が出てくるんですよ!」と湯浅社長。自然の力を生かす、という徹底ぶりを実感できる光景です。

二年熟成はしょっぱさの感覚が違う

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丸大豆仕込天然醸造醤油
国産大豆と小麦を使用して二年熟成。熟成期間が長いためしょっぱさが前面に出てきません。熱が加わると香りとコクがしっかりするので炒め物などにも。

価格 : 450円+税
原材料 : 大豆(国産)、小麦、食塩/アルコール

白皿に漆黒がよく映える三年熟成

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さいしこみしょうゆ
国産大豆と小麦を使って天然醸造で三年間。熟成期間が長く濃厚でコクのある醤油です。少量でレトルトカレーが劇的に変化。チャーハンなどの炒め物にも力を発揮します。

価格 : 500円+税
原材料 : 大豆(国産)、小麦、食塩/アルコール

あったかご飯にバターとこれです

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バタめししょうゆ
バターは動物性の脂肪だから、魚介系のだし醤油とはちょっと合わないと思う。とは有田屋の湯浅社長の談。湯浅家に代々愛されてきたバター醤油ご飯。そのレシピを商品化。

価格 : 450円+税
原材料 :しょうゆ(大豆・小麦を含む、国内製造)、みりん、清酒/アルコール
この蔵元への直接のお問い合わせ
有田屋
〒379-0116 群馬県安中市安中2-4-24
TEL:027-382-2121  FAX:027-382-2516
http://www.aritaya.com/