「帰って来い」と言われたことは、一度もなかった
「ヤマブン姉妹」の店先
福島県相馬市、山形屋商店。屋号は「ヤマブン」といいます。全国醤油品評会の最高賞である農林水産大臣賞の常連として、とても有名な蔵です。そんな店先には、醤油や味噌を買い求める地元の方がひっきりなしに訪れます。迎えるのは、渡辺ゆきのさんと絢華さんの双子姉妹。地元では「ヤマブン姉妹」として知られていて、優しく明るい笑顔が印象的です。
「でも、子どものころは、この家業が恥ずかしかったんですよ」と教えてくれました。学校給食にも醤油を納めていたので、忘れ物をすると、配達のついでに従業員の方が学校まで届けてくれたそうです。「それが、当時は恥ずかしくて」と。
「帰って来い」と言われたことは、一度もない
休みの日でも行動を共にするという仲良し姉妹なのですが、以前の職業は生命保険の営業。たまたま同じ会社。しかも、同じ営業所。いつも一緒というのが本当に自然なようです。
転機は、東日本大震災。相馬は漁業も盛んな土地で、風評被害を強く受けた。その払拭を目指して、父である渡辺和夫さんが全国醤油品評会への出品を決意。そして、有言実行で農林水産大臣賞を受賞。その数、8回。実家が最高賞を受賞したうれしさと、誇らしさ。その一方で、新たな受注への対応や、日々のいろいろな業務に向き合う家族の姿がありました。それを見ているうちに、二人で話し合って、一緒に戻ることにしたそうです。お母様から「帰って来い」と言われたことは、一度もなかったといいます。
相馬に行かれることがあれば、ぜひ店先を覗いてみてください。あの笑顔に会えると思います。
2026.08.04
山形屋商店

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