アメリカで醤油が広まったのは、照り焼きからだった
「キャンプに何を持っていけばいいですか」
この季節になると、そんなふうに聞かれることが増えます。悩みますよね、と私も思います。
おすすめしているのは、濃厚系の醤油を一本、荷物に入れておく。再仕込醤油や溜醤油などです。焼いた肉にそのままかけて食べてみると、これがなかなかいいものです。
バーベキューソースも焼肉のタレも、おいしいものがたくさんあります。ただ、タレは味を足していく方向で、醤油は肉のうま味をそのまま持ち上げる方向。おいしさの方向が違うように感じています。
照り焼きから始まった話
そういえば、アメリカで醤油が広まったのも、肉と結びついたからでした。醤油を広めるためにキッコーマンがとった作戦は、スーパーの店頭で醤油をつけた肉を焼いて、通りがかりの人に食べてもらう。掲げていた言葉が「Delicious on Meat」だったそうです。日本の味です、という主張ではなく、肉がおいしくなります、と言い切ったわけです。
そこから広まったのが「Teriyaki」ですが、面白いのは、日本でいうところの「照り焼き」そのものではないところ。庭先のバーベキューで、網焼きのタレに醤油を使う人が増え、その食べ方がいつしかそう呼ばれるようになったのだと聞きました。
そう考えると、キャンプの肉に醤油をかけるという話は、ずいぶん遠回りをして戻ってきたようにも思えます。ニンニクやわさびを落としてみるのも、すごく合います。同じ肉がまったく違う顔になる。ぜひ100mlの醤油を荷物に忍ばせてみてください。
2026.07.30

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