日本は世界有数の発酵大国です。その日本の発酵文化を語る上で外せないのが「麹菌(こうじきん)」です。日本酒、味醂、酢、味噌、醤油、甘酒など様々な発酵食品に麹菌を使った麹が使われます。日本や中国などのアジア圏では温暖で湿潤な気候によりカビを利用した麹文化が発達しました。
西洋とアジア圏を醸造酒の製法で比較すると、酵母によるアルコール発酵は同じですが、その前の糖化工程に大きな違いがあります。糖化工程とは原料のデンプンを酵素の力で小さな糖に分解することです。(デンプンのままでは酵母がアルコールを作れません)アジア圏では麹に繁殖する微生物が酵素を生産しますが、西洋では大麦を発芽させるときに作られる酵素を利用して糖化します。また、中国は麹を使いますが主に毛カビやクモノスカビが利用され、麹菌は日本の発酵文化の象徴といえます。
| 欧州 | 中国 | 日本 | |
| 酒類 | ビール | 紹興酒 | 日本酒 |
| 糖化方法 | 麦芽 | 餅麹 | 散麹 |
| 微生物 | - | 毛カビ・クモノスカビ | 麹菌 |