大豆の統計データ

大豆の自給率と使用内訳

2023年の大豆の自給率は7%です。ただ、これはサラダ油など加工用途の大豆を含みますので、食用に限れば24%となります。

もう少し詳しくみていくと、日本の需要量は356万tで。その2/3にあたり67%がサラダ油などの油糧用途に使用されています。豆腐、納豆、味噌、醤油に使われるような食品用途は29%となっています。ちなみに世界の大豆消費量は約4億tで、そのうち食用に使われているのは2,500万tで6%ほど。90%は油を搾るために使われています。大豆は世界的に見ると食べるための作物ではなく、油を搾るための作物と見られているようです。

日本の大豆の用途

「食べられている大豆」の内訳をみていくと、豆腐が圧倒的ですね。次いで醤油と納豆、そして味噌と続いていきます。そして、国産大豆の比率については煮豆など、大豆をそのまま食すものは72%と高く、豆腐、納豆が30%程度と続きます。醤油は国産比率が低いです。3%ほど。

ただ、20年ほど前を比べると増加傾向にあるのは確かだと思います。ちなみに、大豆油に使われるのは豆腐の6倍。日本でもほとんどの大豆は油になっています。

たんぱく質が多いのが大豆の特徴

このように比較をすると、大豆のたんぱく質の豊富さがわかります。脂質の多さも米や小麦と比較をすると多いですが、江戸時代など昔の日本人のたんぱく質の摂取源が大豆だったというのは納得できます。

醤油の原材料に大豆を使う理由もこれで、大豆に含まれるたんぱく質が麹菌の酵素によってアミノ酸に分解されたものがうま味の元になっています。だから、たんぱく質が多く含まれている大豆の方が醤油づくりには適していて、搾油された後に醤油をつくるように加工された脱脂加工大豆はたんぱく質含有量がとても高くなっています。

大豆の生産量実績

作付面積
(ha)
10a当り収量
(kg)
収穫量
(t)
1887年(明治20年) 46万ha 91 42万t
1906年(明治39年) 46万ha 99 45万t
1926年(昭和元年) 39万ha 100 39万t
1946年(昭和21年) 22万ha 90 20万t
1966年(昭和41年) 17万ha 118 20万t
1986年(昭和61年) 13万ha 177 24万t
2005年(平成17) 13万ha 168 22万t
2024年(令和6年) 15.4万ha 164 25.2万t
(農林水産省 過去の生産実績)

大豆の県別収穫量(平成17年)

  1. 北海道 52.400t
  2. 福岡  15.200t
  3. 宮城  15.100t
  4. 佐賀  14.200t
  5. 秋田  12.800t
  6. 栃木  10.000t
  7. 新潟   9.710t
  8. 山形   8.720t
  9. 茨城   8.100t
  10. 富山   7.880t

醤油の原料となる「大豆」の内訳

種類 国産 輸入 合計 構成比
丸大豆 0.36万t 3.65万t 4.00万t 18.6%
脱脂加工大豆 17.53万t 17.53万t 81.4%
合計 0.36万t 21.18万t 21.53万t 100
構成比 1.7% 98.3% 100
(平成17年 農林水産省、財務省、日本醤油協会資料)

大豆を食べる国は結構少ない

国名 生産量
(千t)
消費量
(千t)
食用用途
(千t)
加工用途
(千t)
米国 78.671 49.861 11 44.634
日本 291 5.068 1.008 3.828
イギリス 0 880 3 770
(農林水産省「大豆の豆知識」)

食用用途とは、豆腐や納豆、味噌・醤油などに加工して食することであり、加工用途はサラダ油などに加工して使用することです。他の国と比較して日本は「食用用途」として大豆を多く使用していることが分かります。日本では古来より豆腐・納豆などに代表されるように、大豆を食用として使用してきた歴史があるのに対して、海外での大豆の存在は油を採る対象として見られてきました。

国産大豆と米国産大豆との成分比較

国名 エネルギー 水分 たんぱく質 脂質
日本 417 12.5 35.3 19.0
米国 433 11.7 33.0 21.7
(文部科学省 五訂増補日本食品標準成分表)

 成分を比較すると、国産大豆よりも米国産大豆の方がたんぱく質が低くて、脂肪が多く含まれていることが示されています。醤油造りでは、大豆たんぱく質が微生物の働きにより旨味成分の「アミノ酸」に変化しますので、たんぱく質の含有量の高い方が適しているといえます。